PRACARTS / MARKETING PLAYBOOK

数字の先に、
次の打ち手を見つける。

GA4・GTM・Meta広告マネージャー。役割を理解し、比較・分析・改善までを学ぶ、図解中心の実践ガイド。

全8章 / 汎用版
01 / FOUNDATION

3つのツールは、何をするためにある?

広告を配信する。訪問後の行動を分析する。その行動を計測できるようにする。役割が違うから、使い分けます。

広告を出す・成果を確かめる

Meta広告マネージャー

広告の作成・配信・予算管理を行い、どの広告が成果につながったかを調べるツール。

例えば「広告AとB、どちらが安くクリックを獲得できた?」→ 消化金額・表示回数・CTR・CPC・CPAを確認。

訪問者の行動を分析する

Googleアナリティクス(GA4)

どこから訪問し、サイト内で何をして、問い合わせ・購入につながったかを調べるツール。

例えば「LP①と②、どちらが最後まで読まれている?」→ LP別のセッション・スクロール・CTA・CVを比較。

CTA
行動を記録する仕組みを管理する

Googleタグマネージャー(GTM)

クリックやスクロールを検知し、GA4などに送るためのタグ・発火条件を設定するツール。

例えば「CTAを押した回数をGA4で見たい」→ GTMでクリック計測を設定し、プレビューで動作確認。

GA4はGTMを使わずに実装することも可能です。MetaのCV計測にはMetaピクセル等の仕組みも使われます。

02 / TOOL MAP

広告から問い合わせまで、どこを誰が見る?

ユーザーの動きに沿って見ると、3つのツールの担当範囲が分かります。

📣
広告を表示リーチ・クリックMetaで確認
→
📱
LPに訪問流入元・閲覧GA4で確認
→
👆
LP内で行動スクロール・CTAGA4で確認
→
✉️
問い合わせフォーム・CVGA4で確認
⚙
GTMは、この流れの「計測設定」を支える例:ボタンクリックを検知 → GA4へイベントを送信。計測が正しいかプレビューで確認。

やりたいことから逆引き

知りたいこと・やりたいことまず開くツール見るもの
広告を作成・配信したいMetaキャンペーン・広告セット・広告
広告AとBのクリック単価を比べたいMeta消化金額・リンクCTR・リンクCPC
どの広告から、どのLPに来た?GA4流入元・UTM・ランディングページ
LPのどこまで読まれた?GA4スクロール深度(設定されている場合)
CTA・フォームでどこまで進んだ?GA4クリック・フォーム・CVイベント
CTAのクリック計測を新しく追加したいGTMタグ・トリガー・変数
タグが正常に動くか試したいGTMプレビュー/Tag Assistant
広告費とサイト内CVを合わせて評価したいMeta + GA4広告費・クリック・CVR・CPA
「どこで何が起きたか」は数字で把握できますが、「なぜその商品を選んだか」という心理は数字だけでは断定できません。必要に応じて顧客調査を組み合わせます。
03 / PROCESS

分析は、この7ステップで進める。

04 / OBJECTIVES

目的が違えば、見る数字も違う。

05 / COMPARISON

広告AとB、何を比べればいい?

クリック数だけでは判断できません。比べたい要素以外の条件を揃えます。

広告A
「価格の手軽さ」

CTR

2.4%

LP CVR 1.2%

広告B
「品質への安心」

CTR

1.6%

LP CVR 3.1%

架空の例。広告Aはクリックされやすく、Bは訪問後のCVRが高い。CPC・CPA・CV数・母数も合わせて判断します。

LP①とLP②のスクロール到達率

到達率が低い区間があっても、原因は断定できません。広告との整合性やLPの内容を見て仮説を立てます。

比較揃える条件見たい違い
広告A vs BLP・対象・配信時期訴求の差
LP① vs ②広告・対象・導線LP構成の差
フォーム vs 予約広告・LP・対象CV導線の差
06 / HOW TO

どの画面を、どう操作する?

実際のスクショは使わず、画面構造を簡略化した操作図で説明します。

07 / INSIGHT

数字を、次の打ち手に変える。

事実:LPの25〜50%地点で到達率が低下
↓
仮説:広告で期待した内容とLP冒頭の説明がずれているかもしれない
↓
改善案:ファーストビューのコピーを広告訴求に合わせる
↓
検証:他の条件を揃え、CVRを主要指標として比較
スクロールだけでは離脱理由を断定できません。必要なら顧客調査で心理を深掘りします。
08 / EXPERIMENT

A/Bテストは、何を固定する?

決めること例
課題LP冒頭で行動が止まっている
変える要素FVのコピーだけ
固定する要素ターゲット・広告・その他のLP要素
主要KPICVR
補助KPICTAクリック率・スクロール到達率
判定条件母数・期間・配信偏り・計測不備を確認
GA4は分析ツールです。A/Bの振り分け自体は別の仕組みが必要です。

Pracarts Marketing Playbook — 初版。掲載数値はすべて説明用の架空データです。

09 / GLOSSARY

広告用語は、何を数えているかで覚える。

広告未経験者向け。広告から商談までの流れを追いながら理解します。

📣 広告表示 → 👆 クリック → 📱 LP閲覧 → ✉️ 問い合わせ → 🤝 商談
用語意味計算式・注意点
IMP/インプレッション広告の表示回数同じ人への複数表示を含む
リーチ広告が届いた人数(推定)IMPとは異なる
CTR(リンク)広告がリンクをクリックされた割合リンククリック÷IMP×100
CPC(リンク)リンククリック1回の費用広告費÷リンククリック
CPM広告を1,000回表示する費用広告費÷IMP×1,000
LPビュー広告クリック後にLPが読み込まれた回数リンククリックとは一致しない
CTA問い合わせ等を促すボタン・導線クリック=問い合わせではない
CV問い合わせ・購入・予約等の成果案件ごとに何をCVとするか定義
CVR訪問などに対するCVの割合CV数÷セッション数×100など。分母を明記
CPACV1件の獲得費用広告費÷CV数。CV0件なら算出不可
ROAS広告費に対する売上売上÷広告費×100。利益率とは別
フリークエンシー1人あたり平均表示回数IMP÷リーチの目安
UTM流入元や広告を識別するURLパラメータutm_source、utm_content等
リタゲ以前接触した人への再配信元の訪問者の質が重要
新規/既存GA4上のユーザー分類再訪を完全に識別するものではない
計算例(架空)

広告費30,000円・IMP10,000回・リンククリック200回・CV3件なら、CTR 2%、CPC 150円、CPA 10,000円。CVRは分母がリンククリックなら1.5%。LPセッションを分母にするなら別途セッション数が必要です。

10 / QUALITY

どこまで分析したら「完了」か。

吉川さんとのやり取りから整理した社内基準の提案版です。正式運用前に承認を受けてください。

LEVEL 1

数値報告

何が起きたか

LEVEL 2

課題分析

どこに問題があるか

LEVEL 3|社内目標

意思決定

何を改善・検証するか

提出前チェック

合格基準

事実 → 解釈 → 複数の原因仮説 → 改善の優先順位 → 検証設計まで説明できること。データ不足は断定せず、何が足りないか明示します。

11 / OPERATIONS

誰でも再現できる、分析の操作順。

実際の管理画面スクショは使用しません。どのツールで何を開き、何を完成させるかを明示します。

01 目的とKPI

有効問い合わせ・商談・契約など最終成果を決める。途中指標も定義。

02 Meta広告別

「広告」タブ→期間→「列をカスタマイズ」。広告費、IMP、CPM、リンクCTR・CPC、LPビュー、フリークエンシー。

03 Meta掛け合わせ

「内訳」から年齢・性別・配置を切替。Excelで出力し、訴求×年齢・性別・配置を再集計。

04 GA4流入とLP

「レポート→ページとスクリーン」「探索→自由形式」。ランディングページ、セッションの手動広告コンテンツ、イベント、新規/既存、デバイス。

05 GTM計測確認

「タグ・トリガー→プレビュー」。CTA、スクロール、フォームが意図どおり発火するか確認。

06 統合と改善案

MetaとGA4の数値定義の違いを明示。事実・仮説・優先施策・A/Bテストをまとめる。

単独の数値から、一段深い分析へ

浅い分析深い分析
CPA赤は安い訴求×年齢・性別・配置で差が残るか
LP②のCTAが多い広告訴求×LP×CTA率で比較
既存ユーザーは少ない新規/既存×デバイスで比較
問い合わせがあった有効/逆営業×商談化まで確認
12 / CASE STUDY

DiveSyncで実際にどう深掘りしたか。

対象:2026/9/11〜10/8。今回の分析で確認した値を教材として使います。

広告費¥75,542
LPビュー3,732回
LPビュー単価¥20.24
Timerex予約0件
有効商談0件
分析の出発点

「流入は獲得できたのに、なぜ有効商談は0件なのか?」を問う。フォーム送信件数は保存期間の制約で不明、把握分はすべて逆営業でした。

訴求別の比較

CPA赤 ¥19.48
深海 ¥46.18

CPA赤のLPビュー単価が安い傾向は、年齢・性別・Instagramリール内でも確認。一方、深海はCPMが高く、CTRだけで説明できません。

掛け合わせ分かったこと注意点
訴求×年齢全年齢でCPA赤の誘導単価が低い傾向深海は母数が少ない
訴求×性別男女ともCPA赤の誘導単価が低い配信条件は完全一致していない
訴求×配置同じリール内でもCPA赤の誘導単価が低い同じ配信ユーザーとは限らない
新規/既存×デバイス既存として計測された11人のうちPCが10人少数であり一般化は不可
LPスクロールGTMの発火は確認到達率の網羅性未確認。離脱率は断定不可
この案件で判断できないこと

どの訴求が有効商談に強いか/LPのどの位置が真の離脱原因か/ターゲットが不適切なのか。データの限界を明記することも分析品質です。

13 / DECISION

分析結果を、次の判断につなげる。

「LPの文章を短くする」ではなく、「何を検証するために変更するか」を説明します。

順番検証内容評価指標
配信前フォーム・予約・有効問い合わせを正しく記録計測の正常性
優先1広めの配信 vs 業種・職業で絞った配信有効問い合わせ率・単価
優先2CPA赤 vs 深海等の訴求(配信対象・LP固定)有効CVR・単価
優先3LP②-1 vs LP②-2(広告・対象固定)有効CVR、補助でCTA率
別途検証フォーム vs Timerexの導線有効問い合わせ・商談化

社内提出用:5つの欄を必ず埋める

FACT|事実

CPA赤のLPビュー単価は19.48円、深海は46.18円。

INSIGHT|解釈

流入効率に差があるが、商談の質は判断できない。

HYPOTHESIS|原因仮説

CPM・配信対象・訴求の影響。ターゲット不一致の可能性もある。

ACTION|施策

計測を整備し、ターゲット条件を変えて比較する。

VALIDATION|検証

広告・LPを固定し、有効問い合わせ率と単価を評価する。

結論

今回の分析は「CPA赤の方が安い」で終わらない。流入獲得と有効顧客獲得は別であると整理し、原因を切り分ける次回テストを設計するところまでが社内標準です。

14 / PRACTICE

分析項目の洗い出し

最終KPIから逆算し、必須指標・補助指標・未計測を区別する。

領域確認する指標取得先優先
広告配信広告費、IMP、リーチ、CPM、リンクCTR、リンクCPC、リンククリックMeta必須
LP流入LPビュー、セッション、流入元、広告×LPMeta+GA4必須
LP行動スクロール到達、CTAクリックセッション、フォーム開始GA4+GTM必要時
成果フォーム送信、予約完了、有効問い合わせ、商談、契約GA4+営業管理必須
属性年齢、性別、地域、配置、デバイス、新規・既存Meta+GA4必要時
配信状況フリークエンシー、日別CTR・CPM、最適化対象Meta必要時
計測精度UTM、タグ発火、CVイベント、重複、分母分子GTM+GA4必須
認知・継続動画視聴、指名検索、再購入、LTVMeta・CRM等目的次第
分析開始前の必須記入:目的・最終KPI・補助KPI・期間・対象・比較したい仮説・未計測事項。目的が違えば必須指標も変わる。
15 / PRACTICE

Meta・GA4・GTM操作レシピ

ツールの画面名、追加する項目、完成する表、計測上の注意をセットで説明する。

Meta|広告別配信実績

操作:広告マネージャー→広告タブ→列をカスタマイズ。消化金額、IMP、リーチ、CPM、リンクCTR、リンクCPC、リンククリック、LPビュー、結果の単価を追加。内訳なしでExcel/CSV出力。

完成するもの/注意:広告名×費用×表示×クリック×LPビュー。結果がLPビューならCPAではない。

Meta|年齢・性別・配置

操作:同じ期間・広告タブで「内訳」→年齢、性別、配置を順に切り替えて各CSVを出力。広告訴求ごとに合算し、単価は合計費用÷合計件数で再計算。

完成するもの/注意:訴求×年齢/性別/配置。内訳表同士を足して二重計上しない。

Meta|フリークエンシーと配信条件

操作:「列をカスタマイズ」でフリークエンシー・CPM追加。「広告セット」で予算、最適化目標、Advantage+、ターゲット条件を確認。

完成するもの/注意:配信頻度と配信条件の一覧。頻度だけで広告疲れと断定しない。

GA4|広告×着地LP

操作:探索→自由形式。ディメンション:セッションの手動広告コンテンツ、ランディングページ。指標:セッション。行:広告コンテンツ→LP、値:セッション。

完成するもの/注意:広告×LPの流入表。utm_contentが必要。

GA4|CTAクリック

操作:探索→自由形式。行:ページパスとスクリーン クラス、値:イベント数、フィルタ:イベント名=cta_click。クリックしたセッション率は別途セッション単位で集計。

完成するもの/注意:LP別CTAイベント数。イベント回数÷セッション数は厳密なクリックセッション率ではない。

GA4+GTM|スクロール

操作:探索でページパス×スクロール率、イベント名=scroll_depth。GTMで閾値・対象ページ・パラメータを確認。プレビューでTag Assistantの変数を検証。

完成するもの/注意:25/50/75/100%等のイベント発火。イベント回数≠到達率。

GA4|フォーム・Timerex

操作:レポート→イベントでform_view、form_start、form_submit等を確認。サンクスページ、予約管理、フォーム管理の実数を照合。

完成するもの/注意:フォーム到達→完了→有効問い合わせ→商談。外部遷移と予約完了は別。

GA4|新規・既存×デバイス

操作:探索→自由形式。ディメンション:セッションの手動広告コンテンツ、新規/既存、デバイスカテゴリ。指標:アクティブユーザー。行の組み合わせを変えて比較。

完成するもの/注意:広告別新規既存、再訪×デバイス。既存は同一広告からの再訪とは限らない。

16 / PRACTICE

掛け合わせ分析

広告×年齢・性別・配置・LP・新規既存・デバイスを比較し、見かけの差を切り分ける。

掛け合わせ確認する問い注意
訴求×年齢安いのは若年層への配信が多いだけか母数とCPMも確認
訴求×性別同じ性別でも訴求差が残るか単価・率は合計値から再計算
訴求×配置同じリール内でも差があるか同じ配置でも対象者は違う
広告×LPどの組み合わせでCTAやCVが多いかUTMとLP対応表を確認
LP×デバイススマホ・PCで行動差があるか少数PCデータに注意
新規既存×デバイス再訪者はPC中心かユーザー識別と重複に注意
広告×有効CV安い流入が商談につながるか営業側の成果分類が必要
比較の原則:期間と配信条件を揃える/単価・率は合計値から再計算/母数が小さければ保留/数字の差を原因と混同しない。
17 / PRACTICE

数値から原因を切り分ける

CTRが高いのに有効CVがゼロ、LPの到達が低い等の状況別に次の確認事項を示す。

CTR高い/有効問い合わせゼロ

次に調べる:まずCV計測と逆営業分類、最適化目標を確認。次に配信対象・広告×LP・フォーム到達を比較。

検証の狙い:対象外クリック/LP訴求不一致/CV導線を切り分ける

CTR低い/CVR高い

次に調べる:CPC・CPM・有効CPA・CV数を確認。

検証の狙い:CTRを上げるだけで有効リードの質を下げない

CPM高い

次に調べる:同じ年齢・性別・配置でも高いか比較。

検証の狙い:配信競争、最適化、対象者、広告を仮説として検証

スクロールイベント少ない

次に調べる:GTMで発火をテストし、正しい到達率を算出。

検証の狙い:計測漏れと本当の離脱を区別

CTA多い/フォーム完了少ない

次に調べる:form_start、form_submit、外部遷移、実送信数を照合。

検証の狙い:計測問題・フォーム障壁を切り分ける

問い合わせあり/商談ゼロ

次に調べる:逆営業・対象外・有効リードを分類。

検証の狙い:ターゲット・訴求・営業対応を確認

18 / PRACTICE

提出前の品質判定

数値の正確性から検証設計までチェックし、完了・制約付き完了・未完了を区別する。

完了:次の判断と検証方法まで決定。制約付き完了:計測不足を明示し判断範囲を限定。未完了:重要な根拠や比較が不足。

報告テンプレート

順番書く内容
結論最重要課題と次の判断
事実期間・母数・数値・比較結果
解釈何が言え、何が言えないか
原因仮説複数の説明候補と根拠の強さ
施策何を、なぜ変えるか
検証固定条件・変更点・主要KPI・判定基準
19 / PRACTICE

実践演習と社内報告

架空データで練習し、事実→解釈→仮説→施策→検証の順で報告する。

演習|広告AとBを比較

架空例:広告AはCTR 2.5%、CPC 20円、有効問い合わせ0件。広告BはCTR 1.5%、CPC 40円、有効問い合わせ3件。

問い:どちらが優秀?次に何を確認する?

解説を見る

CTR・CPCだけではAが良いように見えるが、最終成果はBにある。広告費・配信量・有効CPA・CV計測・ターゲット条件を確認してから判断する。

DiveSync実践例の読み方

広告費75,542円、LPビュー3,732回、Timerex予約0件、把握できたフォーム問い合わせは逆営業。結論は「流入は獲得したが有効商談に至らない」。原因はターゲット、訴求、LP、CV導線の複数仮説。計測不足を明記して次の比較実験を設計する。

今回の吉川さんの発言から整理した社内品質基準の提案です。本人が承認した正式基準ではありません。